tag:blogger.com,1999:blog-42273223160259662152024-03-14T03:57:16.957+09:00うらかわ「食」の手帖(β版)北海道浦河の「食」にまつわるいろいろな風景を伝えていきます。 穫る人、育てる人、商う人、つくる人、食べる人。特に人々の営みに焦点をあてて、紹介していきます。
運営:うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.comBlogger6125tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-15695288393313648792013-04-19T17:12:00.001+09:002013-04-19T23:04:00.092+09:00心と身体が満ち足りる食事の秘密―Eyam(エヤム)<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgd9XpV3oOl7a4tHpz9bfZ_XqoeyKLCMmEK1KGsBL7ZENRiPj0pM2eoIRWVoGIT0Xu0Lgj5Wv9H3wENrZVC878zDP8N7BvegXQO7ONioWqHCflmYA1hoL-Kzq8TL_1y40g3FHW5Dr7xG4Tn/s1600/P2254619.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgd9XpV3oOl7a4tHpz9bfZ_XqoeyKLCMmEK1KGsBL7ZENRiPj0pM2eoIRWVoGIT0Xu0Lgj5Wv9H3wENrZVC878zDP8N7BvegXQO7ONioWqHCflmYA1hoL-Kzq8TL_1y40g3FHW5Dr7xG4Tn/s400/P2254619.jpg" width="400" /></a></div>
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私が、「レストラン Eyam(エヤム)」の「本日のランチ」を初めて食べたのは、今年2月のことでした。去年秋に浦河へ来た当初から、エヤムでスタッフとして働いていた方に、本当に美味しいからぜひ食べて、と熱心に勧められていたのですが、数が限られていることもあって、なかなかその機会に恵まれなかったのです。<br />
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その日の主菜はメンチカツ。もともとフライがあまり得意ではない上に、風邪を引きかけていて、食欲もあまりなかった私は、全部食べられるかな、と一瞬不安になりました。しかし、一口食べて、全くの杞憂であることがわかりました。今まで食べたことがないほど、軽やかなメンチカツ。弱った身体にもやさしい揚げ物でした。また、副菜やサラダ、どれを口にしても、丁寧につくっている、その「手」が感じられるのです。ひとくち食べるごとに、食べものが身体に染みわたっていくような気がして、食べ終わった時には、心も身体も満ち足りて、なんだか元気になったような気がしました。どうしてそんな風に感じるんだろう、その秘密を知りたいと思いました。<br />
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このエヤムは、もともと隣接する「ビクトリーホースランチ」という軽種馬牧場の社長さんが、牧場で働く人のための昼食を提供してくれないか、と管理栄養士の小野里百合子さんに相談したのがきっかけとなって2005年に生まれたレストラン。「本日のランチ」は、オープン以来、牧場で働く人に毎日提供し続けている昼食を、一般のお客さんにも提供しているものだそう。<br />
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後日、店主の百合子さんに「ぜひ、調理の現場を見せて欲しい」とお願いし、3月のある一日、「本日のランチ」がどうやってつくられているのか、見せて頂くことになりました。<br />
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朝9時半。突然入った特別な予約のために、追加で食材を買い出しに行った百合子さんが、外から戻ってきました。「こうやって、いつも予想もしないことが起こるのが、エヤムなの」と、ほがらかに笑いながら、エプロンとスカーフを身につけ始めます。「今はこんなにおしゃべりだけど、一歩キッチンに入ったら全く変わるのよ。キッチンは私の戦場なの」。<br />
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いよいよキッチンに入り、今日のスタッフの岡野ゆうなさんと今日のメニューを確認します。メニューは、百合子さんが朝起きて、その日の天候と気温を確認してから、組み立てるそうです。今日は冷え込んだから、身体を暖める料理にしよう、というように。「今日はカレーをつくります」。普段「本日のランチ」でカレーを出すことは、ほとんどないそうなのですが、今日は特別な理由がありました。<br />
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数日前から牧場に研修に来ている中学3年生の男の子が、緊張のせいか、なかなか食事を完食できないというのです。食事を提供する前に書いてもらうアンケートの「好きな食べもの」欄には「カレーライス」と書かれていました。「好きなものなら食べられるかな、と思って」。カレーライスにサラダ、そしてブルーベリーヨーグルトプディングが今日のメニューになりました。<br />
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早速、百合子さんは土つきの太い人参をむきはじめます。皮をむくと人参の強い香りが漂ってきます。「これは浦河で有機栽培をしている農家さんの人参。傷が入って市場への出荷ができなくなったものを分けてもらっているの」。皮はできるだけ薄く、傷の部分を切り落とすのも最小限にして、廃棄する部分をできるだけ減らしているのがわかります。農家さんが大事に育てた野菜を少しも無駄にしたくないという気持ちが伝わります。そうして思いのほか小さく切っていきます。「人参はね、好き嫌いのある野菜だから、少し小さめにするの」。<br />
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キッチンでは、とにかく秤が多用されます。百合子さんが用意する手書きのメニューには、材料のところに1人前のグラム数が書いてあります。野菜を切るにも計りながら切っていきます。例えば、じゃがいもを4切れ入れると、1人前の分量になるように、重さを揃えて切っていくのは、驚きました。<br />
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「本当は、スープストックからつくるのが理想だけれど、そこまでは時間をかけられないから、今日は豚挽肉と、表面を焼いた鶏肉からスープをとります」。百合子さんは「プロのテクニック」と「主婦のわざ」のバランスを、常に考えているといいます。調理にかけられる時間と体制、材料費という制約の中で、その日にできるベストを尽くすということなのでしょう。<br />
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とはいえ、大事なところには手間と時間をかけます。エヤムでは、挽肉の状態で肉を仕入れることはしないそうです。薄切肉からミンサーで挽肉をつくっていくのです。「挽肉になってしまうと、そこに何が混ざっていても、わからなくなってしまうでしょう?私は、自分が安全だと思えない食材を家族に食べさせたくないし、家族に食べさせたくないものは、お客さまにも食べさせたくないの」。<br />
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肉と野菜が煮込まれたスープ鍋からは、よい香りがただよってきます。しばらくすると、百合子さんは、人参とジャガイモを取り出し、それぞれ別の容器にとりおきます。盛りつけの際に、ちゃんとひとり分の分量の野菜を入れるためというのです。そこまで徹底するんですね、と驚く私に百合子さんは言いました。「そうじゃなければ、エヤムという看板をあげて、お店として食事を提供する意義がないでしょ?カレーライスなんて、誰でもつくれる料理だもの」。<br />
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エヤムが生まれるきっかけとなった、ここで毎日昼食を食べる牧場の人々の仕事は、とても体力を使うし、特に馬に乗る仕事の場合は、体重管理も必要となります。「食に対しては、自分なりにいろいろな思いを持ってきたけれど、やっぱり舞台がなければ、伝えることはできないでしょ」。日々の食事を通して、働き手の健康を守ることを第一に期待されて生まれたこのエヤムは、百合子さんにとっては願ってもないステージだったのでしょう。<br />
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百合子さんがカレーライスに取り組んでいた間、ゆうなさんは黙々とサラダの準備をしていました。はじめてエヤムのサラダを食べた時、あれ、キャベツの千切りってこんなに美味しかったかな、とびっくりしたのを覚えているのですが、ゆうなさんの準備をみて、その理由がわかるような気がしました。とにかく丁寧に、できるだけ細く、包丁で刻んでいくのです。ピーラーは芯の部分など本当に最小限しか使いません。20人弱の分量ですからかなりの時間がかかります。そうして、しっかり水にさらし、しっかり水を切ります。その手間があの美味しさにつながっているんだと思いました。<br />
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12時過ぎ、最初のお客さんがやってきました。若い乗り手さんです。厨房の中をのぞきこんで、「こんにちは」と挨拶し、カウンターに座ります。百合子さん、ゆうなさんは「おかえりなさい」という言葉で迎えます。カウンターの上には、ふきのとうや、アスパラなどがグラスに差して置いてあり「あ、ふきのとう、もう出てるんですね」と、自然と会話もはじまります。<br />
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朝からたっぷり身体を動かしている若い乗り手さん。出された食事を本当にもりもりと食べていきます。食べることにまっすぐ向きあってる感じがして、見ているこちらも気持ちよくなります。「みんな一生懸命たべてくれることに感謝してる」と百合子さんが言うのもわかるような気がしました。一方で、それは丁寧につくられた料理に対する、食べ手の自然な応答のようにも思えます。<br />
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乗り手さん以外にも、毎日、昼食を食べにくる方がいます。ご主人を亡くされた後、ほとんど食べられなくなってしまったというそのご婦人は、エヤムでの毎日の昼食を通して、少しずつ食を取り戻していったそうです。百合子さんは、どのようなものであれば、食べられるのか、少しずつコミュニケーションしながら、調理を工夫していったといいます。また、食べられない食材の多い乗り手さんとは、スーパーで待ち合わせをして、食べられるものを一緒に探したと言います。この日は、カレーライスが苦手という彼のために、カレーライスに入れていた、人参やじゃがいもなどを使って、豚肉巻きを用意していました。健康を守ることにこだわりながらも、あくまで相手に寄り添う。「家族が求めていることを感じ取って、さりげなく応じるようなことを目指しているのがエヤムなの」と百合子さんはさらりと言います。<br />
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2時を回った頃、研修生の男の子が牧場の経営者の方と一緒にやってきました。座っている姿勢からも、緊張している様子が伝わってきます。実は、百合子さん、この男の子のために、少し甘めのルーを別鍋で用意していました。その特別なルーをかけたカレーライスを、ゆうなさんがトレーに載せて彼のもとに持っていきます。今日は食べてくれるだろうか。私までドキドキしてきます。しばらくして、ゆうなさんから「カレー、完食です」と、小さな声で報告がありました。にっこりする百合子さん。ヨーグルトプディングは残してしまったけど、男の子は、ようやくしっかりと食べることができたようです。ひとりの男の子のために、どうしたら食べてもらえるだろうと考え、つくり、食べてくれたことを喜ぶ百合子さんは、まさに子どもの健康を願う母のようでした。<br />
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エヤムの「本日のランチ」の献立パネルには「あなたの体を大切に暮らす」とあります。朝から、百合子さんの仕事ぶりや言葉、そこから生まれてくる料理に触れたことで、この言葉がとてもリアリティを持って立ち上がってきました。「本日のランチ」を食べた時に感じた、心も身体も満ち足りたりたような感覚。「家族に食べさせたくないと思うものは、お客さんにも食べさせたくない」「家族の求めにさりげなく応えるように、お客さんにも応えたい」。あの感覚は、家族の健康を大切にするのと同じだけの、手間と気持ちをかけてつくっている食事だからこそ、感じられるものだったのだと思いました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTXr1WKm35KXZi9VGozmY9xevF3KtZngrfVuiZrc4hh0rERGk-t9Yz55Qyn4TeZg7FSidB-s8OJ1ww35DbsBXtCk348XsYJFHFSQxelLSJFJe_ijUYB6H1IcOwBFIX366F5Oj9YFq9Kqo0/s1600/P3064835.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTXr1WKm35KXZi9VGozmY9xevF3KtZngrfVuiZrc4hh0rERGk-t9Yz55Qyn4TeZg7FSidB-s8OJ1ww35DbsBXtCk348XsYJFHFSQxelLSJFJe_ijUYB6H1IcOwBFIX366F5Oj9YFq9Kqo0/s400/P3064835.jpg" width="400" /></a></div>
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最後にキッチンを隅々まで磨きあげ、全ての仕事を終えたのは、午後4時すぎ。一日を通して見てきた、百合子さんの姿を一言で表すとすれば「全力疾走」。でも、その姿は決して疲れ果てたようには見えなくて、むしろ充実感にあふれているように見えました。それは、ここで食事をとりにくるお客さんの健康を守るために、今日もベストを尽くしたのだという、静かな誇りからくるもののように、私には思えました。<br />
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レストラン Eyam(エヤム)<br />
北海道浦河郡浦河町西幌別358<br />
TEL 0146-22-2645<br />
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月-土 11:30-16:00頃 <br />
日 11:30-15:30頃 ※パスタエヤム(パスタのみ提供)<br />
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水曜日定休<br />
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<a href="http://homepage3.nifty.com/vhr/pc_sub9_restrant/eyam_top.html">ホームページ</a></div>
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文・写真 宮浦宜子(うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会・元研修生)<br />
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miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-74449984836797506712013-03-09T21:44:00.003+09:002013-04-03T14:25:19.406+09:00魚屋さんと町の人を新しい形でつなぐ―磯場屋学校「磯場屋学校」のことを知ったのは、10月に浦河に来てまもなくのこと。地元で穫れた魚の捌き方を磯場屋(魚屋)さんから学び、美味しく食べる、というその学校のコンセプトは、魚の美味しいと言われる町にやってきた移住者が、まさに求めていたもの。私もチラシを見て、思わず「これ行きたい!」と叫びました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjN-QQWyVy17IpYsAfbhkJP1dzsWezh2gULlKjSWjQ4xzGp_DuVxZlainBT8qUZrVuIDLAeLLtwEaeRstO8BULbbtX4S6PVl_x4fhxEBruNiX18-PhDJoQztfvsAmd5mKRMG40NEC12JAqj/s1600/PB252369.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjN-QQWyVy17IpYsAfbhkJP1dzsWezh2gULlKjSWjQ4xzGp_DuVxZlainBT8qUZrVuIDLAeLLtwEaeRstO8BULbbtX4S6PVl_x4fhxEBruNiX18-PhDJoQztfvsAmd5mKRMG40NEC12JAqj/s400/PB252369.jpg" width="400" /></a></div>
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10月の半ばに参加した今年度1回目の「磯場屋学校」。校長は池田鮮魚店の池田義信さん。サメガレイの捌きといくらの醤油漬けづくりに挑戦します。サメガレイの捌きは校長、いくらの醤油漬けは、校長夫人である池田さんの奥さん、あつ子さんが担当。磯場屋さんという営みの中にある知恵がふんだんに盛り込まれたお二人の話を聞きながらの実習はとても楽しく、転勤してきたばかりのご夫婦、地元の主婦、浦河に赴任してきた独身男性など15人が2人を囲み、調理室の中はにぎやかです。浦河の磯場屋さんの中で、今のところ唯一後継者のいる川潟商店の三代目、川潟亮滋さんもアシスタント役で加わります。一方、教頭の小野多圓さんは、開始の挨拶の後は、そのすらりとした背中をこちらに向けたまま、実習後に参加者にふるまう料理をひたすら調理していたのが印象的でした。実習後は、浦河の魚をいろいろな形で食べてみて欲しいと、小野さんやボランティアスタッフの手でフレンチやイタリアンに仕上げられた魚料理を食べながらの交流会。「こんな学校があるなんて、浦河は普通の町じゃない!」と興奮気味に話す、参加した主婦の方の意見には私も深く頷きました。</div>
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<span id="goog_1090760353"></span><span id="goog_1090760354"></span><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhflM_Wmp41c3hIbLrl7GCzi__nk9HBaOMU1jx5j9Y7VgSm-8yiELROnmpBu8NvLgAOMBycsG3Tt73-OThgprWGVc3FNG2jrJs9pN7CN868kLDsL6MeYxiH4TlP7hZsBfdJC81e5fl1BR2S/s1600/PB252384.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhflM_Wmp41c3hIbLrl7GCzi__nk9HBaOMU1jx5j9Y7VgSm-8yiELROnmpBu8NvLgAOMBycsG3Tt73-OThgprWGVc3FNG2jrJs9pN7CN868kLDsL6MeYxiH4TlP7hZsBfdJC81e5fl1BR2S/s400/PB252384.jpg" width="400" /></a></div>
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私自身、磯場屋学校に行ったことで、まずは磯場屋さんの存在を知り、そこでは、その日、浦河の前浜で揚がった魚が商われていること知り、丸ごとの魚の美しさを知り、魚をさばくのが意外と面白いことを知り、そうやって食べる魚が美味しいことを知りました。都会では魚を買うことすらほとんどなかったのが、浦河にきて、魚は全て磯場屋さんで買うようになりました。<br />
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その後、この素敵なプログラム「磯場屋学校」は、役場職員である小野さんがきっかけとなって、3年前にはじめられたことを知りました。小野さんが、毎朝出勤前に、日高中央漁協の市場に通っているという噂を聞き「磯場屋学校」のブログをのぞいてみると、確かに、毎日のようにその日揚がった魚のレポートをしています。その魚をどうやって食べれば美味しいか、どんな漁の仕方で穫るか、今期の漁獲量はどうか、など、充実した内容です。フェイスブックでは、もっと気軽に、時にはダジャレ混じりに浦河の魚の写真を紹介しています。また、誰かが浦河の魚について少しでも触れたなら、その魚の説明や、調理法の提案などを、即座にコメントします。「小野さんは本当に魚が好きなんだ」と思い、敬意を込めてこっそり「浦河のさかなクン」と呼ぶようになりました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTRByV9w1_blPSksqFQZsbqHLA9MUxVH1hLHwCQT7Mfp2PUrL1-rZsrJxbOU8zAb_ZwYgLoKNFxlNODDYh3cuvUWTCY5KA8qicTtzr1iq8uFkASiGzZ6E6vY6GWFnepQQ8rhr4NeWMMdPn/s1600/P2284630.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTRByV9w1_blPSksqFQZsbqHLA9MUxVH1hLHwCQT7Mfp2PUrL1-rZsrJxbOU8zAb_ZwYgLoKNFxlNODDYh3cuvUWTCY5KA8qicTtzr1iq8uFkASiGzZ6E6vY6GWFnepQQ8rhr4NeWMMdPn/s400/P2284630.jpg" width="400" /></a></div>
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<span id="goog_127970848"></span>
いつか一度、きちんと「磯場屋学校」の話を聞いてみたいと思い、2月のある朝、小野さんと市場で待ち合わせました。小野さんは、時化で漁がない時や浦河を留守にしている時以外、毎朝7時50分頃には市場に着き、揚がった魚をひととおり見て、写真を撮り、わからないことがあれば知り合いの磯場屋さんたちに質問し、セリが始まる前、8時10分くらいには、職場に向かいます。「魚のこと、昔から詳しいんですか?」と聞くと、「いや、市場に通うようになってから少しずつ覚えていったんだよね」と。さらに「どうして市場に通うようになったんですか?」と尋ねると、以前、水産の部署にいた時に、この市場の新設を担当したことがきっかけだと。部署は変わってしまったけれど、自分が担当した施設が、実際どう活用されているのか、この目で見届けたいと思ったから、と言うのです。あれ、想像と少し違うなと思いはじめました。<br />
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漁協の食堂に移動して、コーヒーを飲みながら聞いた「どうして『磯場屋学校』をはじめたんですか?」という問いへの答えは、「魚が好きだから」というような直接的な理由を想像していた私にとっては、全く予想外のものでした。<br />
「大通地区の商店がどんどんさびれていくのを見て、何かしたいと思ったんだよね。小さい頃、暮らしていた場所だから。衣食住と3つあるとしたら、食からかな、と。それで、まずは池田鮮魚店の池田さんのところに行ったんだよね」。<br />
池田鮮魚店は、子どもの頃から知っていたけれど、池田さんとは特に親しい付き合いをしていたわけではなかったといいます。「大通地区の人口はこんなに減ってるんですよ、世代も高齢者中心になってきているんです、とデータも見せながら説明すると、池田さんは、それだものお客さんも減るよね、と納得してくれた」。町の人、特に若い人たちに、地元の魚の美味しさや、磯場屋さんの存在を知ってもらうための「磯場屋学校」を一緒にやってもらえないか、という小野さんの誘いに、池田さんは快く乗ってくれたといいます。「『自分が表に出ると、どうしても役場がやっているように見えてしまうので、自分は裏方に徹することになるけどいいですか?』という提案にも、いいよって言ってくれたんだよね」。<br />
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そうして磯場屋学校がスタートしたのは2010年9月。池田さんは、最初こそ、お店とは勝手が違う状況に戸惑っていたけれど、すぐに、校長と生徒という町の人たちとの新しい関係を十分に楽しんでくれるようになりました。また、2年目に、小野さんが池田さんに「塩辛づくり」をやってみたいと言った時には、港で漁師さんにつくり方を教わってきてくれるなど、今では中身づくりにも主体的に関わってくれているといいます。<br />
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一方、小野さんは、磯場屋学校のスタートと同時にブログを開設。最初は浦河の磯場屋さんや、そこで扱われている地元の魚、料理法などを紹介しながら、時には、漁業のこと、あるいは魚食文化のことなどを、発信してきましたが、去年の1月からはそこに市場レポートが加わりました。「どうして毎日市場に通い続けるかって?尊敬する池田さんとタッグを組むからには、中途半端な知識ではいけない。もっと勉強しなければ、という気持ちがあると思う」と、小野さんは言います。<br />
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「磯場屋学校の教頭をしています。副業は役場職員です」というのは、まちづくりの勉強会や交流会での小野さんのいつもの自己紹介です。ずっと、磯場屋学校のことを印象的にアピールするためだと思っていたのですが、いろいろ話を聞くうちに、意図は違うのか知れない、と思うようになりました。彼にとって、役場の仕事と、磯場屋学校の運営は同じくらい大事なこと。だからこそ、磯場屋学校「も」本業なのだ、と。<br />
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役場は公務員として関わる公共(official)の仕事、磯場屋学校は一町民として関わる公益(common)の仕事。そこには、やはり違いがあるといいます。「役場ではどうしても公平性を重視するし、あくまで町民の自発性を尊重することが大事になってくるんだよね。そういう意味では、水産担当の時に、あくまで一町民の立場でも、自分から池田さんに磯場屋学校を始めようと持ちかけるのは難しかったかも知れない」。もし、いつか異動で水産担当に戻ってしまったら?「その時には、磯場屋学校は新しい運営方法を考えつつ、磯場屋さん以外のお店と新しい試みを始めてもいいかも知れない。磯場屋学校は、大通にある商店が、時代や町の変化に合わせて商いの形を変え、元気を取り戻すことを一緒に考えていく、ひとつ目のチャレンジだから」。<br />
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あんなに一所懸命に磯場屋学校をやっているなら、さぞ思い入れが深いのではないか、と思っていた私の思い込みを鮮やかに裏切る、軽やかさでした。同時に、一町民として、自分が暮らしてきた町に、どんな形でも一町民としてずっと関わっていく、その覚悟を感じました。「自分の想いをもって、個人の責任で、自由にいろいろ試していけるのは、やっぱり楽しいよね」。そういいながら、その町民としての活動の中で町の人から聞こえてくる声を町政に生かそうとする自分もいるといいます。<br />
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浦河に来てから、小野さんのように、公務員としての仕事を全うしながら、同時に一町民として、まちに関わる人々をたくさん知るようになりました。公務員に限らないかも知れません。仕事を通じてまちと関わりながら、同時に、まちに対する思いをもって、仕事とは別の形で、まちと関わる人が多いように思います。それがこのまちの魅力のひとつなのだ、と改めて思いました。<br />
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磯場屋学校<br />
年1回(2日間)開催(10〜11月頃)<br />
※参加者募集は磯場屋学校ブログや町内のポスター掲示などで行います。<br />
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校長 池田義信<br />
校長夫人 池田あつ子<br />
教頭 小野多圓<br />
アシスタント 川潟亮滋<br />
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磯場屋学校ブログ<br />
http://isabaya.jugem.jp/<br />
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(うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会 研修生 宮浦宜子)<br />
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miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-45851876261281059272013-02-25T21:15:00.000+09:002013-02-26T01:20:01.895+09:00愛する浦河がずっと賑やかであるように―まさご 「ラーメン・餃子 まさご」の大久保さんにお会いしたのは、私が10月に浦河にやってきて2日目のこと。体験移住者のために、町役場の方が町内を案内してくれた時でした。釣りや山菜採りを愛する大久保さんは、移住者が町を楽しむことをお手伝いする、移住アドバイザーのひとり。一緒に町を案内してもらったご夫婦が、浦河で秋鮭釣りをしたいということもあって、お店に立寄りました。大久保さんのTシャツに短髪という風貌はまさにラーメン屋さんの店主なのですが、名刺交換した印象はビジネスマン。意外な感じがしました。その時、歓迎の手みやげに渡してくださったのが「ひぐまの黒餃子(日高昆布餃子)」と「行者にんにく餃子」。引越したばかりで、まだ冷蔵庫も空っぽな私たちへの心遣いのようにも思えて嬉しかったのを覚えています。その晩、早速頂いた餃子は、それぞれ日高昆布の旨味、行者にんにくの旨味がしっかりと感じられました。それぞれうたわれている素材がたっぷりと使われ、丁寧につくられた餃子であることが、伝わってきました。<br />
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はじめて、お店に伺ったのは、移住して2週間ほどたった頃。中途半端な時間だったこともあって、お客さんは私ひとり。16年前に札幌でのアパレルの仕事を辞めて、実家が営む銭湯の一角で、そのお客さんのニーズが高かったラーメン屋をはじめたこと、「浦河餃子」と名付けた数種類のオリジナル餃子は、浦河や北海道の豊かな食材をふんだんに使っていて、東京でこだわりの品を扱ういくつものスーパーで売られていること。その餃子を地元で製造できる工場をつくるために、苦労して補助金を得たことなどを、淡々とした口調で話してくれました。<br />
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その淡々とした口調が少し熱を帯びた瞬間がありました。「自分の子どもが食べている塩昆布の袋の裏側を見たら昆布なんて採れないところでつくってたんだよね。塩を洗い流してみたら、茶色くて薄い、質の悪い昆布を使ってるのさ。でも、ここにはこんなに質のいい昆布があるのに、ほとんどが加工をしないで外に出てしまう。浦河には、海もあって、山もあって、これだけ豊かな食材があるのに、もったいないよね」心から悔しそうに言う大久保さんを見て、この人は決して自分の商いさえうまくいけばいい、と思っている人ではないのだ、と思いました。<br />
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1月に入って初めてお店に行った時のこと。「この餃子が化学調味料無添加だったら扱ってくれると言われたお店がいくつかあって、なんとか実現できないか、いろいろ試してたんだけど、ようやく完成したのさ」。化学調味料の代わりに使ったのは、日高昆布と鮭の魚醤。以前から餃子の加工の相談をしていた研究員の人に「代わりになるものなら、大久保さんの目の前にあるじゃないですか」と言われて、気付いたそうです。完成した無添加餃子のラベルをどうしたらいいか、相談に乗って欲しいと言われました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgKq7EuJRHrM1dlEasvfFtJh3qfJFOHnPhjyPgmCwRuJHC_SMQCjWV-E37VCTffXCE0NV3duV4kCcZ1jWQBvo9rMRmXJnQ6OAUwWv9bKOaWvWMd981_zjKeHnyqXJmtESDme5G-f8tQki_u/s1600/P2244567.JPG" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgKq7EuJRHrM1dlEasvfFtJh3qfJFOHnPhjyPgmCwRuJHC_SMQCjWV-E37VCTffXCE0NV3duV4kCcZ1jWQBvo9rMRmXJnQ6OAUwWv9bKOaWvWMd981_zjKeHnyqXJmtESDme5G-f8tQki_u/s400/P2244567.JPG" width="400" /></a></div>
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翌日、「うらかわ『食』で地域をつなぐ協議会」のメンバーの村下くんと、店舗の上の小さな事務室にお邪魔しました。私たちが参考にと持ってきた商品パッケージの資料に「いや、面白いね」と、身をのりだして見入る大久保さんを見ていると、こちらも楽しくなってきます。話はこれまで大久保さんがつくってきた商品の話にも広がりました。印象に残ったのは、大久保さんもその一員である「浦河料飲店組合」が共同で開発した「浦河産アイス」*のこと。海岸で、自分で海水をポリバケツに詰め、食品加工場に運び、アイスクリームに使う「浦河産の塩」を試作したというのです。「俺、おかしいでしょ」と笑う大久保さんを見て、この土地の恵みを生かして商品をつくっていくことを、本当に楽しんでいるのだなあ、と思いました。<br />
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その帰り、はじめて餃子の工場を見せてもらいました。「いや、工場っていっても本当に小さいんだよ」といいながら連れていってくれたのは、お店の裏にあるかつての浴場の建物。ドアを開けると、ツーンとタマネギの匂いが漂ってきます。働いているのは、2人のお母さん。姉妹だという2人は、一瞬にしてボロボロと涙を流しはじめた大の男たちの様子を見て笑いながら、和気あいあいと仕事をしています。大久保さんは「これが具を混ぜる機械。これが餃子をつくる機械。ここから餃子がでてくるの」と、少し誇らしげに説明してくれます。工場は、私が想像していたよりもずっと小さくて簡素なものでしたが、浴場のタイルを背景に小さな機械が置かれ、ふたりの姉妹が楽しげに働いている光景は、工場というより大きな台所のように感じました。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiyBnAIPM4EHWy4cAaq2UKZaU4xuWKanXK81ZFD40izORF-9vWypyxAxsoJVuMEuEF6O7IOxr8HSRteOW0Urtsq0q3GTJWSxgKQmoWEX054zWqUhTH_OFcchqKvqU4ItB7NkhyvTl4pAVwY/s1600/P1082958.JPG"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiyBnAIPM4EHWy4cAaq2UKZaU4xuWKanXK81ZFD40izORF-9vWypyxAxsoJVuMEuEF6O7IOxr8HSRteOW0Urtsq0q3GTJWSxgKQmoWEX054zWqUhTH_OFcchqKvqU4ItB7NkhyvTl4pAVwY/s320/P1082958.JPG" width="400" /></a></div>
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2月のある朝。大久保さんと8時に待ち合わせて、近くにある井寒台森林公園に向かいました。とっておきの場所に連れて行ってくれるというのです。「小さい頃、この川でザリガニとってたんだよね」などといいながら、ズンズンと山を登っていく大久保さん。勝手知ったる俺の山という雰囲気です。立ち仕事で腰に負担がかかるから、毎朝トレーニングのために山へ登っていると聞いていたのですが、大久保さんの姿を見ていると、トレーニングより何より、とにかく山へ登ることが楽しい、ということが伝わってきます。「この根の奥には、何か生き物が棲んでいると思うんだよね」「あの木には、たくさんキノコが生えるのさ」「この辺は、行者にんにくが一番早くに出る」などと言いながら、登っていった山の上には展望台が。連なる日高の山々と太平洋が一望できる絶好のスポットです。「ほら、すごいっしょ」と、胸を張る大久保さん。<br />
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ひとしきり山を案内してもらった後、そろそろ帰ろうと山を降りていく大久保さんの先に浦河の町が見えてきます。ああ、大久保さんは、毎朝、自分が子どもの頃から遊んでいた山に登り、この町の姿を眺めながら山を降りた後に、のれんをかけてお店を開け、餃子をつくるんだ、ということに気付いた時、あるやりとりを思い出しました。「いろいろな制度や支援などを探して活用するのが上手ですよね」と、何気なくいった私に、大久保さんは一言「必死だからじゃない?」と。どうして必死になるんですか、と重ねて尋ねた私に大久保さんは言いました。「ここにラーメン食べに来る若い子たちが、仕事がないから、と言って町をでていくのが悲しいんだよね。たくさん人がいる、賑やかな町であって欲しいんだよね」。餃子をたくさん売ることができれば、町に仕事をつくることができるかも知れない。ひとりでも、ふたりでも、町から出ていく若者が減るかも知れない。<br />
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普段のひょうひょうとした大久保さんと「必死」という言葉が、どうにもつながらず、その時はしっくりこなかったのですが、山にいる大久保さんの姿を見て、ようやく腑におちた気がしました。これだけ、山を、海を、川を、それらがある浦河のことを愛していれば、「必死」という言葉は納得が行くなあ、と。アパレルの営業マンからラーメン屋に転向することも、新聞で知った面識のない研究者に連絡をとって商品開発の相談にのってもらうことも、早朝から起きだして補助金申請のために慣れない書類を書くことも、私の中で全てがつながりました。<br />
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工場をつくるために借りたお金は、この3月で完済。餃子の売上は、ラーメン屋の売上に近づきつつあるそうです。人口が減りつつあるこの町の中に仕事をつくるには、町に暮らす人以外にも商いを広げていかなければならない。浦河が賑やかであって欲しいと願い、大久保さんが必死で試みてきたことは、少しずつ実を結びつつあります。<br />
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ラーメン・餃子 まさご<br />
北海道浦河郡浦河町堺町東1丁目11-1<br />
TEL 0146-22-2645<br />
11:30-21:30<br />
月曜日定休<br />
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浦河餃子.com<br />
<a href="http://urakawa-gyoza.com/">http://urakawa-gyoza.com/</a><br />
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*浦河産アイスは「浦河料飲店組合」の加盟店で販売しています。<br />
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文・写真 宮浦宜子(うらかわ「食」で地域をつなぐ協議会 研修生)<br />
<br />miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-62432670869302311012013-02-01T14:00:00.000+09:002013-02-03T22:14:29.825+09:00海の恵みを頂く仕事ー三協水産 11月のある朝。午前4時40分、浦河港はまだ真っ暗。浦河の網元である三協水産の鮭定置網船、漁吉丸の白い船体が、闇の中にぼんやりと浮かび上がっています。<br />
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ワゴン車が停まり、10人ほどの漁師さんたちが降りてきて、私たちに挨拶をしながら船に乗り込んでいきます。年の頃は様々。若者も何人かいます。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhY0H7hDkyG8kvlljX1tnLwrY9soJVLIbJKo4wLCK_cTVN6auuUWaqP2HIY9P-3VcsZ_nU01TYg6PbINq0ZrIWWZSwA4fqRzgyLv5mdVVVRacPowzSDwhLld7xclhQdkpLdmsz0HI05xukl/s1600/PB101672.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhY0H7hDkyG8kvlljX1tnLwrY9soJVLIbJKo4wLCK_cTVN6auuUWaqP2HIY9P-3VcsZ_nU01TYg6PbINq0ZrIWWZSwA4fqRzgyLv5mdVVVRacPowzSDwhLld7xclhQdkpLdmsz0HI05xukl/s400/PB101672.JPG" width="400" /></a><br />
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先に乗り込んだ漁師さんが、ロープで岸壁に船を引き寄せてくれ、私たちも船に乗り込みます。甲板は、汚れひとつなく磨き上げられていて、まるで客船のよう。服が汚れることも覚悟していたけれど、その予想は裏切られました。<br />
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甲板で談笑しながら、そろいの青い雨合羽に着替える漁師さんたち。一仕事の前に、朝の一服を味わっている漁師さんもいます。そのうちに船が動きはじめました。<br />
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操縦室では、船頭の大久保さんが、レーダーを見ながら、漁場に船を進めます。海の上は本当に真っ暗で、目印もない。レーダーだけが頼りです。<br />
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20分ほどで、漁吉丸の漁場に到着。はるか遠くまで続く黄色いブイ。このブイの下に手網という網の壁があり、沿岸を北上中に壁にぶつかり誘導された魚を捕獲するのが、定置網漁です。海の下に、これだけ大きな罠が仕掛けられていると思うと、そのダイナミックさに驚きます。<br />
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船が停止すると、漁師さんたちが、船縁に並び、揚網がはじまります。漁師さんが「べた凪」と呼ぶ、波ひとつない海。聴こえてくるのは、ザッ、ザッという、漁師さんたちの手が網をたぐりよせる音だけ。かけ声すら必要としない、漁師さんたちの一糸乱れぬ動きは、漁灯に照らされ、まるで儀式のようにも見えます。人間の力の及ばない、自然がもたらす恵みを頂く、漁業という仕事の美しさに心打たれます。<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgc5d0U4Fhc8bW7QQdw-2bMYNZbYbo5NoFAGHMDbfBJnWWJBS-ddn5l5gxWdecPVYqD9sp8dmS9gIvJVxzkVvSEvxIIEie4B_4VO4vE7jhOSL_FBsTvPlN2yBSrZ-zA3PoXd4Bkz1GK6A1K/s1600/PB101773.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgc5d0U4Fhc8bW7QQdw-2bMYNZbYbo5NoFAGHMDbfBJnWWJBS-ddn5l5gxWdecPVYqD9sp8dmS9gIvJVxzkVvSEvxIIEie4B_4VO4vE7jhOSL_FBsTvPlN2yBSrZ-zA3PoXd4Bkz1GK6A1K/s400/PB101773.JPG" width="400" /></a><br />
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二回目の揚網がはじまる頃、わずかに東の空が明るくなってきました。漁灯に照らされた翡翠のような海と限りなく黒に近い群青の空。食の源に近づくことは、自然の懐に入っていくということ。こんなに美しい場所を仕事場にしている漁師さんたちに羨ましささえ感じます。<br />
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漁の後、船頭の大久保さんの粋なはからいで、一度沖に出てから、大回りして港に戻ることになりました。すっかり空は明るくなったけれど、街灯と車のヘッドライトはまだ残っています。海岸に沿ってぽつりぽつりと連なる浦河の町の灯は、都市の灯のような眩さはないけれど、あそこが自分の暮らす土地なんだ、これからあそこに帰るんだ、という、より確かな土地とのつながりを感じさせてくれます。<br />
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港に戻る船の甲板では、漁師さんたちが、進行方向に身体を向け、足を広げて立っていました。あとで、向かい風を受けることによって、身体を安定させるために、自然にとる姿勢と聞いたけれど、その姿はとても清々しく、これが海を仕事場とする漁師さんたちの通勤風景なのかと、思わず見とれてしまいました。<br />
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港に到着し、下船すると、陸には選別台と水槽が準備されています。到着を待っている中には、網元を継ぐために浦河に帰ってきた、若き跡継ぎの姿も見えます。船上のクレーンが、魚の入った網を持ち上げ、陸へ移します。網の底が開くと、一気に魚が滑り落ち、選別台の上で躍ります。漁が少なかったとはいえ、80cm近くの活きのいい鮭が数十尾も跳ね回ると、漁師さんたちの顔にも自然と笑みがこぼれます。激しく跳ねる鮭をぐっと掴んでは、一瞬で判別し「銀毛」「ブナ毛」などと書かれた水槽に投げ入れていきます。「銀毛」として選別された鮭は、そこから30秒のところにある自前の加工場にそのまま運ばれ、そこからさらに「銀聖*」として選別されたものだけが、2時間以内に加工されるのです。<br />
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後日、この銀聖の加工の現場も見てみたくて、加工場を訪ねました。その日、行われていたのは「塩いくら」の箱詰め。お母さんたちは、漬け込みの終わった「赤い宝石」の山から、いくらをすくいとり、繊細な手つきで、白布を敷いた箱に詰めていきます。銀聖は、産卵まで、まだ時間がある銀毛といわれる状態なので、魚卵の皮がとても薄くて、やわらかいといいます。それもあってのことでしょうが、いくらを扱うお母さんたちの手つきは、まるで本物の宝石を扱っているかのように丁寧なものでした。<br />
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これらの加工はすべて、アラスカに技術指導に派遣されたこともあるという、凄腕の職人さんの監修のもと行われています。この日にはお会いできなかったのですが、ある個人のお宅で、この職人さんが新巻鮭をつくる手技を見る機会に恵まれました。マキリという小ぶりの包丁を使い、まるでファスナーを開くように、腹を開いて、内蔵をはずし、めふんをかく。30尾ほどがあっという間に開かれていきます。それをすぐさま新巻鮭に。鮭を掴み、塩の入った木箱に投げ入れ、腹の中、えらの中、表皮に塩を擦り込む。一瞬たりとも止まらない、一切迷いのない手つき。これまで何万尾もの鮭に触れてきたであろうその手ならば、触ればすべてがわかってしまうように思えます。<br />
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加工場を案内してくださった社長の小西さんと一緒に戻った事務所では、受注の最盛期ということもあって、たくさんの事務員の方があわただしく動きまわっています。三協水産は、かつては鮮魚も加工品もすべて市場に出荷し販売していましたが、日高沖で採れた銀毛鮭が「銀聖」としてブランド化されたことを契機に、個人客への直販を増やしていきました。<br />
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直販をするようになって良かったですか、と小西さんに尋ねると「もちろん」という答え。「昔は、魚を市場に出したら終わりで、自分たちの穫った魚が、どんなお客さんの口に入っているのか、全くわからなかった。でも、今は違う。食べたお客さんからダイレクトに反応が返ってくる。張り合いがあるよ。『美味しかった』というのも、『脂のノリが悪い』というのも、両方くるけどね」と笑います。<br />
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この「脂のノリが悪い」という反応は、量販店に並ぶ鮭の多くが養殖になってから、目立つようになってきたといいます。日高沖で穫れる鮭は、他の場所のものより脂ののりは良いそうなのですが、天然鮭のしっとりと繊細な脂は、濃度の高い油分をエサとして与えられた養殖鮭の脂に慣れた舌には、もの足りなく感じるのかも知れません。<br />
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銀聖と名付けられた、天然鮭を定置網で穫り、加工し、商う。いかに確実に捕獲するか、いかによい状態で運ぶか、などといった、人間の知恵によって進化させられる部分はあるものの、いつ、どのくらいの魚がやってくるのか、という漁の大小については、すべて自然に委ねざるをえない漁業という仕事。それは、関わる人間にとって厳しいことだからこそ、それによって得られる自然の恵みへの敬意にもつながるような気がします。そして、その敬意は、漁業のそれぞれの現場で、働く人々のしぐさや言葉に現われていたように思うのです。<br />
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「銀聖ってね、やさしい顔してるんですよ。色は青みがかった銀色でね。美しいんだよね」<br />
小西さんが語る、その言葉は「商品」について語る言葉とは、全く異なる言葉のように、私には聞こえました。<br />
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*「銀聖」は、「銀毛」(銀色に輝く鱗を持つ鮭)と呼ばれる上質な鮭のなかでも、網元によりさらに選りすぐられ、 日高定置網漁業者組合(HASF)の原魚規定によって認証された鮭だけに与えられる名称。<br />
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三協水産株式会社<br />
北海道浦河郡浦河町浜町32<br />
<br />
TEL 0146-22-2075<br />
FAX 0146-22-5426<br />
Email sankyou@jeans.ocn.ne.jp<br />
HP http://www3.ocn.ne.jp/~sankyou/<br />
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文・写真 宮浦宜子(うらかわ「食」で地域つなぐ協議会 研修生)<br />
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miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-89398002349643158772013-02-01T13:00:00.000+09:002013-02-06T09:20:55.622+09:00家族でつくる味ー池田家の飯寿司づくり<br />
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgYaVLjNkeQek2AU6kxMEcDD51R-DYUrKE1cQLCzDQKDx76y5iifRNJ3CD2h9zCFcxTy5TSlwjCEZ9laxesPKJB5Hjol2-3dmEN0V_YMtzy5Y_AobfktLjHa6fkUa0ZEUFTpw3ySzc0n2GY/s1600/PB142183.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgYaVLjNkeQek2AU6kxMEcDD51R-DYUrKE1cQLCzDQKDx76y5iifRNJ3CD2h9zCFcxTy5TSlwjCEZ9laxesPKJB5Hjol2-3dmEN0V_YMtzy5Y_AobfktLjHa6fkUa0ZEUFTpw3ySzc0n2GY/s400/PB142183.JPG" width="300" /></a></div>
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<span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;"> 11月に入ると、浦河では、あちこちの家で飯寿司</span><span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;"><span lang="EN-US">*</span></span><span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;">づくりがはじまります。鮮魚店を営む池田家では、毎年、何度かに分けて行うといいます。理由は、長い時間、お店を空けないようにするため。飯寿司づくりを見せて欲しいと池田家に伺うと、お店とつながった自宅の居間で、奥さんのあつ子さんが、今年2回目の漬け込みをしていました。</span></div>
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<a name='more'></a><br /></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> あつ子さんが池田家に嫁いできて数年の間は、米を炊いたり、野菜を切ったりする準備は手伝っても、漬け込みは、お義母さんのトシさんの仕事を見ているだけ。ある年「一緒に漬けてみるかい」と言われて、桶の中に手を入れさせてもらえるようになり、とても嬉しかったといいます。トシさんは<span lang="EN-US">12</span>年前に亡くなり、今は、あつ子さんが池田家の飯寿司の漬け込みをひとりで担っています<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 池田家の飯寿司の素材は、魚は秋鮭、小さくきざんだキャベツ、細切りにした人参、生姜、そして炊いたご飯。珍しいのは、発酵を促進するために使われる麹を一切使わず、よく使われる日本酒ではなく焼酎を使うこと。なぜ、焼酎なのか。「義母が生きているうちに聞いておけばよかった」あつ子さんは残念そうに言います。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> あつ子さんは、樽の中に、野菜、魚、お米を、何段も敷き重ねていくのですが、魚を敷いた後には、塩を手でつかみ、盛大に振りかけます。他の料理と同様、飯寿司も、この「塩ふり」で、味が決まります。重ねは、他の人に手伝ってもらっても、「塩ふり」だけは、必ず漬け手がするそうです。あつ子さんが、塩を準備する器は、トシさんが使っていたものをそのまま使っているそうですが「どんなに思いっきり振っても、いまだに、義母が器に盛っていた量を使い切れたことはない」といいます。「手仕事」という身体の一部を使う仕事ゆえに、身体が変われば、同じ仕事にはなりえない、ということなのだと思います。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiNUj76hk7tWaVvcW-6ovOGttvDFAWYBJ9qLFh89BP4-zkLkKUU51cGYgZZWdHByJIUKyy0YmI-MSwBsaOfbAk6sHW3dC2pcwiOYpLV1Z1FcTSM0zbztOARbEZXIr4rJT9uFSTNQwnTPFke/s1600/PB142121.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiNUj76hk7tWaVvcW-6ovOGttvDFAWYBJ9qLFh89BP4-zkLkKUU51cGYgZZWdHByJIUKyy0YmI-MSwBsaOfbAk6sHW3dC2pcwiOYpLV1Z1FcTSM0zbztOARbEZXIr4rJT9uFSTNQwnTPFke/s400/PB142121.JPG" width="400" /></a></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 桶に漬け込んだ後は、蓋をして、重石をします。軽い重しからはじめて、水のあがり方や日数を見て、少しずつ重いものに変え、最後は<span lang="EN-US">30kg</span>近くまで増やします。重石を変えていく「押せ」の仕事は、主人の義信さんの役目です。トシさんは、もともと夫の平吉さんに「押せ」を頼んでいたそうなのですが、息子のほうが頼みやすかったのか、いつしか義信さんの仕事になり、漬け手があつ子さんに変わった今も続いています。「飯寿司の味は、結局のところ『押せ』で決まるんだわ」と、義信さんは言います。持ち手がついて、重ねやすい重石を使う家も多いなかで、池田家で使うのは昔ながらの丸い自然石。新しい樽を初めて使う時には、中の漬かり具合が均一にならずに「樽があばれる」ので、夜中に漬け物石が転がり、その音で起こされることもあるといいます。「押せ」は、樽の様子を見ながら細かく調整する、意外と繊細な仕事のようです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 漬け込んでから約<span lang="EN-US">40</span>日後、いよいよ樽を開け、ひっくり返して、水を切ります。この「樽を返す」のは、漬け手である、あつ子さん「以外の」家族の仕事です。実は、あつ子さんは、飯寿司の発酵臭が苦手で、樽を返すことはもとより、飯寿司を食べることもできないのです。つまり、自分の味を自分で確かめたことがない。味を確かめる役割は、ずっと義信さんと、その妹の純子さんが担ってきました。まず、義信さんが味見をし、次に純子さんが味見をするのが決まった順序だそうです。毎年、樽を開ける時にはプレッシャーを感じるというあつ子さんにとって、2人の反応が返ってくるまでの時間は、とてもとても長く感じられるといいます。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 現在の池田家の飯寿司は、あつ子さんの漬ける手、義信さんの押す腕、義信さんと純子さんの舌がひとつになって、つくられているのです。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 「ずっと、お義母さんの味を引き継いできたつもりだったんだけど、やっぱりもう、私の味になってるって、主人は言うんですよね」「そう、もうお前の味になってるんだわ」<span lang="EN-US">1</span>月に入って、今年の飯寿司の出来をたずねた私に、あつ子さんと義信さんはお互い顔を見合せながら、そう話してくれたのでした。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"><br /></span></div>
<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgc43OhhdZai7SeBfWFtZ3vuSTB6si6rJTk3MG246x-RhV3dyUw6xXa09KDYCSgBAHuncETUns7-7GiTWdi1313hMGy08B0nW49JrVz0nW-fNmoZKu5PM41u_RCPCpGcA1F3QpON2fWM59u/s1600/PB142124.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgc43OhhdZai7SeBfWFtZ3vuSTB6si6rJTk3MG246x-RhV3dyUw6xXa09KDYCSgBAHuncETUns7-7GiTWdi1313hMGy08B0nW49JrVz0nW-fNmoZKu5PM41u_RCPCpGcA1F3QpON2fWM59u/s400/PB142124.JPG" style="cursor: move;" width="400" /></a></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;"> 「家の味」というのは、決してゆるぎないものではなく、家族に誰かが加わり、誰かが去っていく、その移り変わりとともに変化し、その変化ごと「家の味」として、残っていくものなのでしょう。まるで、それ自体が生き物であるかのように。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span lang="EN-US" style="font-size: 11pt;">*</span><span style="font-size: 11pt;">飯寿司とは、北陸や北海道など寒い地域の郷土料理で、魚、野菜、米飯、麹を基本的な材料として桶に入れ、重石をし、乳酸発酵させる「なれずし」の一種。使われる魚は地域によって異なりますが、浦河では秋鮭を中心に、ホッケやサメガレイなどが使われます。<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
</div>
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
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<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;"><br /></span></div>
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<div class="MsoNormal">
<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;">池田家(池田鮮魚店)<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div class="MsoNormal">
<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span style="font-size: 11pt;">北海道浦河郡浦河町大通4丁目7<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></span></div>
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<div class="MsoNormal">
<div style="margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px;">
<span lang="EN-US" style="font-size: 11pt;">0146-22-2619<o:p></o:p></span></div>
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<span lang="EN-US" style="font-size: 11pt;"><br /></span>
<span lang="EN-US" style="font-size: 11pt;"><br /></span>
<span lang="EN-US" style="font-size: 11pt;"><span class="Apple-style-span" style="font-size: small;">文・写真 宮浦宜子(うらかわ「食」で地域つなぐ協議会 研修生)</span></span></div>
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miyauuhttp://www.blogger.com/profile/06770377345151693325noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4227322316025966215.post-2561443246529185922013-02-01T12:00:00.000+09:002013-02-07T09:48:56.424+09:00自分の持てるものでつくる店—カフェアッシュ<br />
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<div class="separator" style="clear: both; margin-bottom: 0px; margin-left: 0px; margin-right: 0px; margin-top: 0px; text-align: center;">
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiHKLJJ-f4ec8Luwq9lim-4KoYLDw79TOV2JxxwgPp5J4FiVRmnCiAIA0FciqdQU3qq3PM7yG4XdOjJpqKrxk7eCVbX1Uc4leusFj_6kau1WvxGzy8gJ8scbIdLzFnh5vsO5BHXRuGl0IgR/s1600/P1062911.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiHKLJJ-f4ec8Luwq9lim-4KoYLDw79TOV2JxxwgPp5J4FiVRmnCiAIA0FciqdQU3qq3PM7yG4XdOjJpqKrxk7eCVbX1Uc4leusFj_6kau1WvxGzy8gJ8scbIdLzFnh5vsO5BHXRuGl0IgR/s400/P1062911.JPG" width="400" /></a></div>
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<span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;"> 「今日は○○にしようかな」「あらごめん!今日は○○仕込んでないんだー」</span><span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;"></span><br />
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">「トースト少し焦がしちゃった。焼き直すからもうちょっと待って!」「焦げててもいいから、それちょうだい」<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">「カフェアッシュ」では、たびたびこんな会話が聞こえてきます。初めて聞いた時には驚きましたが、お客さんたちは特に腹を立てるというわけでもなく、むしろ、店主の馬道さんがてんてこ舞いの時には、思わず台所に入って手伝ってしまうような雰囲気がこの店にはあります。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<a name='more'></a><br /></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 馬道さんがアッシュを始めたのは、5年前。26年前からポップライターという、手書き文字やイラストで、メニューや看板などをつくる仕事を続けてきたのですが、パソコンが普及し、簡単なものなら素人でもつくれるようになってきたことで、ポップの仕事一本では生計を立てていくことが難しくなってきました。大好きなポップライターの仕事も続けながら、できる仕事はないか、と考えた時に、仕事場であるこの一軒家で、週に数日だけカフェをしようと思いついたのです。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 珈琲と料理2品くらいメニューがあれば、なんとかなるんじゃないか。昔からよくつくっていて、友人たちからも「お店で食べるのより美味しい」と言われていた自分の得意料理、「カレー」と「かぼちゃのタルト」を最初のメニューにすることにしました。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span><br />
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span></div>
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<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLds1JMIdPrMiVufPt9nDSgC4iCCnA6rZDWjb47yqM-2Yu0BnKB-QKi_Nyh_BJJeRTivJ_V97B6umRlLJ4kD_-IhaKjc4OJZAw7mYT9xJpl_M6lc2RLWjvLnKuRnpNz6Cceh1DXqmB-M9G/s1600/P1072940.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="300" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhLds1JMIdPrMiVufPt9nDSgC4iCCnA6rZDWjb47yqM-2Yu0BnKB-QKi_Nyh_BJJeRTivJ_V97B6umRlLJ4kD_-IhaKjc4OJZAw7mYT9xJpl_M6lc2RLWjvLnKuRnpNz6Cceh1DXqmB-M9G/s400/P1072940.JPG" width="400" /></a></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 珈琲を入れるには、フレンチプレスを使うことに決めました。カフェをはじめると聞いた友人が、「フレンチプレスでいれる珈琲は、簡単で美味しいよ」と言って、器具をプレゼントしてくれたからです。フレンチプレスは美味しい豆を使わないといけないと聞いて、友人がくれた焙煎店の豆を使うことに。アイスコーヒーの豆を選ぶために、お店に相談のメールを送ると、一度も会ったことのない店主から電話がきて、全く知識のなかった馬道さんに、お店としてお客さんに珈琲を出していく道具や方法を懇切丁寧に教えてくれて、準備を整えることができたといいます。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> カフェの営業日は、日曜から水曜の4日間と決めました。「だって、週末は自分も遊びたいじゃない?」こうして、週の前半はカフェ店主、後半はポップライターという二足のわらじ生活が始まったのです。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 料理2品で、ささやかにはじまったアッシュでしたが、時にはカレー用のご飯が余ってしまうこともあります。余ったものは、冷凍していたのですが、やはりカレーには炊きたてご飯がいい。じゃあ、一度冷凍したご飯を美味しく食べてもらうには、と「チキンドリア」が生まれました。余った材料を無駄にせず活用するにはどうしたらいいか、また、素人でも美味しくつくるにはどうしたらいいか、という課題を知恵をしぼって解決する中で、新しいメニューが発明されていきました。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 「このくらい気軽にはじめるお店が、もっと増えてもいいのに」と馬道さんは言います。馬道さんは、自分が持っているものをなんとか活用し、一般的なカフェとは一風変わっていても気にせず、お店を続けてきました。自分の仕事場を使い、自分の得意料理をメニューにし、カップを暖めるというひと手間だけは惜しまずに入れる珈琲。カフェをつくる、と言った時に思い浮かべるであろう、資金をためて、珈琲の修行をして、料理の勉強をして、店舗を借りて、ようやくオープン、というやり方とは180度違うけれども、商いとしては成立しているのです。</span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> プロフェッショナルな飲食店を求める人には、ものたりないお店かも知れないけれど、アッシュはいつも町の人たちでにぎわっています。それは飲食とともに時間を提供するというカフェの基本機能以外にこの店が別の機能を持っているからです。店内では、食品や野菜、手づくりのアクセサリーなどが販売されており、また、町の中で行われるさまざまな催しや、町の人が取り上げられた新聞記事なども、たくさん貼り出されています。地元のものもあるし、そうではないものもあります。でも、共通点は、すべて</span><span class="Apple-style-span" style="font-size: 15px;">馬道さんとつながりのある人たちのものです。また、馬道さんに「○○に詳しい人いないかな?」などと相談すると紹介してくれたりもします。商品なども含めて、町の中の情報や人をつなぐという機能がここにはあるのです。これも馬道さんの「持てるもの」が生きている、ということだと思うのです。</span><br />
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><span class="Apple-style-span" style="font-size: small;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh9C1SgZ57e1WOHcqio_s2EuTHSS5zqbEIYXeXdBiwxRW_Uhbv-Jz6-qpL3u9Yd8QDdCkjc55gXw4R_Gg5uX7rvYLoN3FNj0n9lN1PTQsXCHhXAzLCKgKCkhkXVq9KYg4Z0lcNNMgQiSFkN/s1600/P1062918.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="400" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh9C1SgZ57e1WOHcqio_s2EuTHSS5zqbEIYXeXdBiwxRW_Uhbv-Jz6-qpL3u9Yd8QDdCkjc55gXw4R_Gg5uX7rvYLoN3FNj0n9lN1PTQsXCHhXAzLCKgKCkhkXVq9KYg4Z0lcNNMgQiSFkN/s400/P1062918.JPG" width="300" /></a></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 馬道さんが、高校生だった時、まちには10軒以上の喫茶店があったといいます。自分たちが良く行っていたお店もあれば、大人になったら行こうと思っていた店もあり、気分や目的にあわせて、お店を選ぶことできました。しかし、今の浦河に、喫茶店は1軒しかありません。馬道さんが、カフェを始めようと思ったきっかけは、あくまで自分の生計を支えるためでしたが、町から喫茶店が消えていったことも、お店をはじめる後押しになったそうです。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> アッシュを始めてから数年たった、ある日の夕方。気付くとお客さんが全員、高校生だったことがありました。アルバイトをしていた生徒からのクチコミで、いつのまにか、高校生たちにも、放課後を友人たちと過ごす場所として、使われるようになっていたというのです。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"> 町から喫茶店が消えていったということは、この町で、喫茶店だけの機能を提供する商いをしていくのは、難しいということなのかも知れません。一方で、馬道さんが、自分の持てるものを活用して、人々がつながりあう「アッシュ」という場をつくり、商いとして続けているのも事実です。このことは、また別の誰かまた、その人の持てるものを活用して、商いを立ち上げていける可能性があるということにも思えるのです。<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">カフェアッシュ<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">北海道浦河郡浦河町東町かしわ<span lang="ja">3-3-5<o:p></o:p></span></span></div>
<div class="MsoDate">
<span lang="ja">0146-22-3595</span></div>
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<div class="MsoNormal">
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">日・月・火<span lang="ja">11:00-18:00<o:p></o:p></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">水<span lang="ja">11:00-21:00<o:p></o:p></span></span></div>
<div class="MsoNormal">
<span style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;">木・金・土休<span lang="ja"><o:p></o:p></span></span></div>
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<span lang="ja" style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><a href="http://popwriter.exblog.jp/">http://popwriter.exblog.jp/</a><o:p></o:p></span><br />
<span lang="ja" style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
<span lang="ja" style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><br /></span>
<span lang="ja" style="font-size: 11.0pt; mso-bidi-font-size: 12.0pt;"><span class="Apple-style-span" style="font-size: small;">文・写真 宮浦宜子(うらかわ「食」で地域つなぐ協議会 研修生)</span></span></div>
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tomurahttp://www.blogger.com/profile/05146980614844787026noreply@blogger.com0